第38回 不正競争防止法における「営業秘密」の保護(2)

 不正競争防止法において保護される「営業秘密」(第37回コラム参照)の要件である秘密管理性が認められるためには、事業者が主観的に営業秘密であると考えているだけでは足りず、客観的にみて秘密として管理されていると認識できる状態にあることが要求されます。

 これについて、裁判例は、[1] 情報の秘密保持のために必要な管理をしていること(アクセス制限の存在)、[2] アクセスした者にそれが秘密であることが認識できるようにされていること(客観的認識可能性の存在)が必要とされています。そして、これらを肯定する判断要素として、[1] については、アクセス権者の限定、施錠されている保管室への保管等が、[2] については、「秘」の印の押印、社員が秘密管理を認知するための教育の実施、秘密保持契約による秘密保持義務の設定等が挙げられます(経済産業省「営業秘密管理指針」参照)。

 このように、社員教育(第25回コラム参照)や秘密保持契約の締結(第12,13,14,15回コラム参照)は、営業秘密を法的に保護する上で、一定の役割を果たすものといえます。