第74回 映像・ゲームの著作者と著作権(4)

第73回コラムのつづき)例えば、製作の意思を有する映画製作会社等の製作(制作)会社が、製作の履行、スタッフ等の報酬の支払い、プロモーションの履行、配給・放映による対価等について、「法律上の権利義務が帰属する主体」及び「経済的な収入・支出の主体」となっている場合、当該製作会社は「映画製作者」として認められることになります。

 このように、[3] の場合(第72回コラム参照)、著作権は製作会社等の「映画製作者」、著作者人格権は監督等の著作者に帰属するので、権利処理には注意が必要です。例えば、「映画の著作物」を改変する場合、翻案権(著作権法27条)を有する製作会社の許諾だけでは足りず、同一性保持権(同法20条1項)を有する監督等の同意も必要となります。

 映像・ゲームについては、[3] の場合のように、外注することも少なくありません。その場合、「参加の約束」(第73回コラム参照)や「法律上の権利義務が帰属する主体」等について、後のトラブルを避けるために、契約書の作成が重要といえるでしょう。