第66回 キャンディ・キャンディ事件にみる原作者の権利(3)

第65回コラムのつづき)これについて、最高裁は、「本件連載漫画はX作成の原稿を原著作物とする二次的著作物であるということができるから、Xは、本件連載漫画について原著作者の権利を有するものというべきである。そして、二次的著作物である本件連載漫画の利用に関し、原著作物の著作者であるXは本件連載漫画の著作者であるYが有するものと同一の種類の権利を専有し、Yの権利とXの権利とが併存することになるのであるから、Yの権利はYとXの合意によらなければ行使することができないと解される。したがって、Xは、Yが本件連載漫画の主人公・・・を描いた本件原画を合意によることなく作成し、複製し、又は配布することの差止めを求めることができるというべきである。」と判示しました。すなわち、[1] 本件連載漫画はX作成の原稿を原著作物とする二次的著作物であり、[2] 本件連載漫画で新たに付与された創作的部分も含めて、本件連載漫画全体の利用に関し、原作者Xは、Yと同一の権利を有するとしました。(第67回コラムにつづく)