第57回 ダンス教室と著作権(2)

第56回コラムのつづき)この裁判において、まず、ダンス教室側は、演奏権の侵害といえるためには、「公衆に対する演奏」である必要があるが、当ダンス教室は、教師と生徒との間に密接な人的関係があり、1回のレッスンの生徒の数は、最高でも10名程度なので、本件ダンス教室におけるCD等に録音された音楽の再生は、「公衆に対する演奏」に当たらず、演奏権を侵害していないと主張しました。

 これに対し、本判決は、本件ダンス教室は、ダンス教師の人数及び各施設の規模等が許容する限り、何らの資格や関係を有しない顧客を受講生として迎え入れることができ、このような受講生に対するダンス指導に不可欠な音楽著作物の再生は、組織的・継続的に行われるものであるから、社会通念上、不特定かつ多数の者に対する演奏、すなわち「公衆に対する演奏」と評価するのが相当であるとして、本件ダンス教室によるCD等に録音された音楽の再生は、「公衆に対する演奏」に当たるとしました。(第58回コラムにつづく)