第54回 利用規約と消費者契約法(4)

第53回コラムのつづき)つぎに、[2] 事業者は、容易に契約が解除されることを防いだり、仮に解除された場合の損害を填補するために、利用規約において、解除に伴い消費者が支払う違約金・キャンセル料に関する条項を規定することが多いでしょう。この点について、消費者契約法は、違約金・キャンセル料が事業者に生じる「平均的な損害額」を超えているときは、その超える部分は無効となるとしています(同法9条1号)。このことから、事業者が利用規約を作成する場合、当該契約が解除されることにより生じる「平均的な損害額」を調査する必要があるといえます。また、利用規約で遅延損害金等の額を定めた場合、消費者契約法で定められた利率を超える部分は無効となります(同法9条2号)。このため、遅延損害金に加えて、「支払が遅延した場合に事業者が取立手数料を徴収できる」等とする利用規約の条項は、当該法定利率との関係で無効となる可能性があるので注意が必要です(五條操「BUSINESS LAW JOURNAL」2011年7月号62頁参照)。(第55回コラムにつづく)