第33回 法人著作と著作権契約(3)

第32回コラムのつづき)
 この判例(最判平成15年4月11日)によれば、法人等が明確な雇用関係にない者や外部の者に著作物を作成させた場合、[1] 作成者が法人等の指揮監督下において労務を提供するという実態にあり、[2] 法人等が作成者に対して支払う金銭が労務提供の対価であると評価できない限り、作成者は「業務に従事する者」に該当しないので、法人著作が成立せず、法人等は、当該著作物の著作者とはならず、著作権を有しないことになります(尚、この最高裁判例については、法人等と作成者との雇用関係の存否の判断基準を示したものとも考えられますが、後続の裁判例(知財高判平成18年9月13日等)は、雇用関係が認められない場合にも、この最高裁判例の判断基準を用いて判断をしています)。
 そこで、このような法人著作が成立しない可能性がある場合には、著作権について、法人等と作成者との間で紛争となりうるので、これを防止するため、事前に、著作権譲渡契約や著作物利用許諾契約等の締結をする必要があるといえます。(第34回コラムにつづく)