第64回 キャンディ・キャンディ事件にみる原作者の権利(1)

 よく小説や漫画の映画化・ドラマ化を耳にします。この場合、原作者である小説家や漫画家は、映像化等を映画製作会社等に任せて、ノータッチであることがほとんどでしょう。しかし、著作権法では、この映画等の利用に関し、原作者は当該映画等の著作者と同様の権利を有するとされています。すなわち、原作をもとにした映画等は、既存の著作物をもとに、新たな創作性を付加してできた二次的著作物であり(同法2条1項11号)、二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有するとされています(同法28条)。

 ここで、映画等の二次的著作物において、新たに創作された部分にも、原作者の権利が及ぶのか、という問題があります。例えば、小説をもとにした映画のシーンを集めた写真集を作成するのに、原作者たる小説家の許諾を得る必要があるのでしょうか。(第65回コラムにつづく)