第40回 店舗内で流す音楽・映像と著作権(1)

 店舗内で流れる音楽や映像は、店の雰囲気を醸し出す要素として重要な役割を果たします。しかし、これらの音楽や映像には、著作権がある以上、店舗内で、これらを利用する場合には注意を要します。

 まず、店舗内で、市販のCDやDVDの音楽・映像を流す場合は、著作権者の許諾が必要です。確かに、著作権法は、[1]「営利を目的とせず」(非営利)、かつ、[2]聴衆又は観衆から料金を受けていない(無料)場合は、著作権者の許諾を得ることなく、公に演奏や上映をすることができるとしています(同法38条1項)。しかし、たとえ、音楽を聴かせたり、映像を見せることについて、客から料金を徴収していなくても、店舗内では、「営利目的」で、商品を売ったり、サービスを提供する等の有償行為が行われます。このことから、店舗内で、市販のCDやDVDを流すことについては、同法38条1項の適用はなく、著作権者の許諾が必要となります。(第41回コラムにつづく)。