第43回 著作権と所有権(1)

 例えば、画家から絵画を購入して、所有者となった人は、その絵画の写真集を自由に作成・販売することができるものなのでしょうか。写真集を作成・販売するには、当該絵画の著作権を有していることが必要です。著作物は媒体に固定されていることが多いため、所有権を有していれば、著作権も有していると勘違いされることがあります。

 上記の例を法的に分析すると、絵の描かれたカンバス(有体物)と、画家が描いた絵そのもの(無体物としての著作物)とに分けられます。そして、所有権は、有体物を排他的に支配する権能はありますが、無体物である著作物自体を直接排他的に支配する権能はありません(最判昭和59年1月20日)。つまり、所有権の効力は、絵の描かれたカンバスには及びますが、その内容である著作物たる絵そのものには及びません。したがって、上記の例の当該絵画の所有者が、この絵画の写真集を作成・販売するには、この絵画の著作権者(画家等)から、複製や販売について許諾を受ける必要があります。(第44回コラムにつづく)