第21回 著作物の利用許諾とM&A

 会社が、著作権者(ライセンサー)からの著作物の利用許諾(ライセンス)をもとに、ビジネスを展開することは、今や日常的です。ところが、この利用期間中に、許諾を受けた会社(ライセンシー)が、M&A(企業の合併・買収)等の対象となることがあります。しかし、一方で、著作権者は、信頼関係を築いていないM&A後の会社への利用許諾には慎重となるため、当初の著作物利用許諾契約おいて、ライセンシーのM&A等を解除事由としている場合があります。当該著作物の利用ができることを評価したM&Aである場合、当該著作物の利用許諾が、解除に伴い、維持できなければ、M&A自体に支障を来します。そこで、ライセンシーをM&Aの対象とするときは、事前に、当該著作物の利用許諾を維持できるかを、著作権者に確認する必要があります。そして、維持できる場合は、著作権者とM&A後の会社との間で、新たに著作物利用許諾契約を締結することになります(松田俊治「著作権ライセンス取引(利用許諾)をめぐる法的諸問題」(コピライト2009年4月号)19~21頁参照)。