第10回 インターネット上の契約における錯誤と確認画面

 消費者が、事業者のホームページの画面を介して商品を購入するということは、現在では日常的です。それでは、例えば、消費者が、購入しようと思っていた物とは別の物を、誤って入力して申込みをしてしまった場合、この契約の効力は、どうなるのでしょうか。

 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律(電子消費者契約特例法)3条本文は、消費者が操作ミスをしやすいことを考慮して、消費者の入力ミス(錯誤)に「重大な過失」があったとしても、消費者は、錯誤による無効を主張できるとしています(民法95条ただし書の修正)。もっとも、最終的な申込みとなる送信ボタンを押す前に、契約内容を表示し、そこで訂正する機会を与える確認画面を設ける等、事業者が、消費者の意思の確認を求める措置を講じている場合は、消費者は、錯誤による無効を主張できません(電子消費者契約特例法3条ただし書、NBL718号30頁参照)。
 このように、確認画面を設けることには、法的な意義があります。ここで重要なのは、単に確認画面を設けるのではなく、消費者の入力ミスを防ぐような確認画面を設けるということです。